細かく言えば、ブラウン管テレビにコンポジットビデオケーブルで
接続して表示される、どちらかというとパキパキしていないドット絵が好き。
にじんで汚いとか、ぶちてるとかいう感想は、私は注意を払って使う。
ドット絵製作者の意図に無い劣化が起きた時にそう思う。
画面に表示される画(え)が基準で描かれたドット絵の、基準がどこにあるのかがわからなければむやみに ぼやけてる とか にじんでる とかは言わないようにしている。
ブラウン管テレビの入力信号も、元をたどればパキパキのドット絵ではあるけれど、画面に表示されるまでに通る信号処理、そして表示器そのものでなされる表示上の制約によりいろいろな変化が起こる。
スーファミにはいくつかの接続方法があり、それによって表示される画像の品質は大きく左右される。くわえて表示に用いるテレビの方もいくつかの表示方法があるため、トータルとしての品質は上から下まで多種多様である。
例えば、RGB21形式というアナログ信号ではRGBがすべて分離して伝送され、これを色再現性の高い液晶表示器に接続して表示される絵は「データに忠実に表示された画像」となる。「絵として一番きれいな画像」とは少し違う。
RF信号形式で接続する場合、映像と音声を混合しアナログテレビ放送で用いら電波の周波数帯に乗せた信号に変換する。そして電波に乗せる代わりにアンテナ線で直接テレビに入力する。テレビはその信号を アンテナで受信したテレビ番組と同様に 映像と音声を分解し表示する。
このときの混合と分離操作は可逆な変換ではなく、大幅に情報が失われ、劣化する。
一般にこのような変換と復元の操作による情報落ちは『信号劣化』と言われるが、その劣化すら考慮して描かれるドット絵は、テレビ画面上においてはサブピクセルレベルの情報量が展開・描画されるのである。
画面にドットを打とうと思ったときに、この色を使うと0.5ピクセルずれて打たれる とか この明るさだと縦方向に滲む とか横に繋がるとか、そういうクセを考慮して描くわけで、そういった画像が使われれているゲームのRGB21形式の出力映像は、いわば圧縮された状態のドット絵を見ている状態だと私は考えている。
これまで(これを書いている2019年末時点)1年以上かけて、この情報圧縮された映像を、製作者が意図した本来の画像に展開する方法を模索してきた。
その調査や実験の一環として、いろいろ作ったのでアーカイブとして残していきたいと思う。文章や画像、映像やハードウェアなど、いろいろな形で残していければいいなぁと考えている。
ドット絵の好みは人それぞれなので、絵面的な部分だけに限らず、技術的な部分でも趣味を共有していけたらうれしい。
好きなことを、楽しんでいきましょう。
Aios Ciao